プランツ vs. ゾンビ:庭の植物でタワーディフェンスを広めた名作
PopCap Gamesのプランツ vs. ゾンビがどのように生まれたのか、太陽と列ごとの防衛ルール、名作とされる理由、続編とリマスター、今楽しむ方法をまとめました。
プランツ vs. ゾンビは、家に押し寄せるゾンビを、庭に植えた植物で食い止めるタワーディフェンスゲームです。豆を撃つ植物、太陽を作るヒマワリ、ゾンビを丸かじりする植物といったキャラクターと、とぼけたユーモアのおかげで、戦略ゲームをあまり知らない人でも簡単にハマりました。
この記事では、プランツ vs. ゾンビがどんなアイデアから出発したのか、基本ルールやモードはどうなっているのか、なぜ今でも名作とされるのか、そして続編から2025年のリマスターまで続く流れをまとめました。最後に、今楽しめる方法も紹介します。
概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売 | 2009年5月5日(Windows・Mac) |
| 開発 | PopCap Games(デザイナー:ジョージ・ファン) |
| プラットフォーム | Windows、Mac、iOS、Android、Xbox 360、PS3、ニンテンドーDS、PS Vitaなど |
| ジャンル | タワーディフェンス |
誕生の背景
プランツ vs. ゾンビをデザインしたのは、PopCap Gamesのジョージ・ファンです。彼は2001年に自身が作った魚の飼育ゲーム『Insaniquarium』を、防衛中心に変えた続編を構想していました。最初のアイデアは、上の水槽でエイリアンを防ぎ、下の水槽で資源を集めるニンテンドーDS向けのゲームでした。ところが『ウォークラフトIII』のタワーディフェンスモードを遊ぶうちに、植物が良い防衛施設になるのではないかと考えるようになりました。
ファンは、従来のタワーディフェンスで敵がタワーを攻撃しないことに違和感を覚え、これを変えるために5列・6列に分かれた庭の構造を作りました。敵は当初エイリアンでしたが、コンセプトアートを描いているうちに気に入ったゾンビが描けたことで、今のテーマに変わりました。植物を使うほかのゲームと差別化したいという理由もありました。
ほかにも影響を受けたものがあります。家族が海賊から家を守る映画『スイスファミリーロビンソン』からアイデアを得て、カードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』のデッキ構築から着想して、ステージごとに使う植物をあらかじめ選ぶ「種袋」方式を取り入れました。開発中には『Lawn of the Dead』というタイトルも検討されましたが、映画『ゾンビ(Dawn of the Dead)』の監督ジョージ・A・ロメロが許可しなかったため、使えませんでした。
開発には約3年半かかりました。最初はファン一人でデザインしていましたが、その後アーティストのリッチ・ワーナー、プログラマーのトッド・センプル、作曲家のローラ・シギハラが加わり、小さなチームで完成させました。カジュアルユーザーとゲームをよく遊ぶユーザーの両方を考慮して、チュートリアルはシンプルにし、ゲーム全体に少しずつ分けて組み込みました。
遊び方
画面の左側に家があり、右側から複数の列に沿ってゾンビが歩いてきます。プレイヤーはマス目に分かれた庭に植物を植え、ゾンビが家にたどり着かないよう食い止めなければなりません。
- 太陽:植物を植えるには「太陽」が必要です。空から降ってくる太陽を拾ったり、ヒマワリのような植物で作ったりして集めます。
- 植物の役割:撃つ植物、爆発する植物、道をふさぐ植物、サポートする植物など役割はさまざまで、一度植えると次に植えられるまで待ち時間があります。
- ゾンビの特徴:風船に乗って植物の上を飛んでいくゾンビ、イルカに乗って植物を飛び越えるゾンビのように、ゾンビごとに特徴と弱点が異なります。
- 最後の防衛線:各列の端には一度だけ使える芝刈り機があり、ゾンビが入り込むとその列のゾンビを一掃します。
アドベンチャーモードは、昼の前庭、夜の前庭、プールのある裏庭、霧の夜の裏庭、屋根の5つのステージに分かれ、各ステージに10のレベルがあります。夜は太陽が降ってこないので安いキノコの植物を使う必要があり、屋根では傾斜があるため放物線を描いて投げる植物が必要です。このほか、ミニゲーム、パズル、サバイバルモードや、植物を育てる「禅ガーデン」もあります。
なぜ名作なのか
プランツ vs. ゾンビが名作とされる理由は、ルールがシンプルでありながら考えどころが多いことにあります。ステージごとにどの植物を選ぶか、太陽を作る植物と攻撃する植物をどんな割合で植えるか、どの列を先に固めるかを、常に判断し続けなければなりません。新しいステージと新しい植物が次々に登場するため、学ぶ楽しさも長く続きます。
ユーモアと音楽も大きな役割を果たしました。評論家たちは、とぼけた絵柄とサウンドトラックを高く評価し、エンディングで流れる曲「Zombies on Your Lawn」も多くの人に愛されました。発売直後にPopCap Games作品の中で最も早く売れたゲームとなり、まもなく『Bejeweled』と『Peggle』を超えて同社の最高売上作品になりました。発売から9日間で30万本以上売れたという記録もあります。
シリーズと影響
2011年にエレクトロニック・アーツ(EA)がPopCap Gamesを買収し、その後プランツ vs. ゾンビはさまざまなジャンルに広がりました。2013年には正式な続編『プランツ vs. ゾンビ2』が基本無料のモバイルゲームとして登場し、三人称シューティングゲーム『ガーデンウォーフェア』1・2(2014・2016)と『ネイバービルの戦い』(2019)、カードゲーム『プランツ vs. ゾンビ ヒーローズ』(2016)が続きました。2025年10月には、オリジナルを高解像度で作り直したリマスター『Plants vs. Zombies: Replanted』がPCと複数のコンソール向けに発売されました。
ほかの作品にも足跡を残しました。『ワールド オブ ウォークラフト:大変動』にはこのゲームを模したクエストが入り、カードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』にもこのゲームに敬意を表したカードが収録されました。何より、「複数の列に沿ってやって来る敵を、マス目に配置したユニットで食い止める」という方式は、その後数多くのカジュアルディフェンスゲームが参考にする基本形になりました。
今楽しむには
オリジナルの雰囲気をそのまま楽しみたいなら、2025年に登場したリマスター『Replanted』を選ぶのが最も手軽です。Windows、Nintendo Switch・Switch 2、PlayStation 4・5、Xbox One・Series X|S向けに発売されています。スマートフォンで気軽に遊びたいなら、無料で始められる『プランツ vs. ゾンビ2』があります。
かわいいキャラクターで道を守るディフェンスが好きならKeke Studioのトイパン・ディフェンスを、もう少し戦略的なSFの雰囲気を求めるならGRID DEFENSE: GRID WARもあわせて楽しんでみてください。

