プラットフォーマーとは?ジャンプのジャンルの定義・分類・代表作
プラットフォーマーの定義と面白さ、2D・3D・パズル・ランアンドガン・シネマティック・ランナーなどの分類、ドンキーコングからマリオ・ソニック・Celeste・アストロボットまでの代表作と設計の特徴をまとめました。
ボタンをひとつ押すとキャラクターが跳び上がり、穴やトゲを越えて旗まで駆け抜けます。説明はこれほど短いのに、40年以上にわたって数多くの名作を生み出してきたジャンルがあります。それがプラットフォーマー(プラットフォームゲーム)です。
プラットフォーマーは、多くの人が初めて遊んだゲームジャンルでもあります。スーパーマリオ、ソニック、カービィのように、ゲームを象徴するキャラクターの多くがこのジャンルから生まれました。この記事では、プラットフォーマーとは何か、どのような分類に分かれるのか、アーケードから3Dやインディーゲームまでどのように受け継がれてきたのか、そして「よくできたジャンプ」とは何かを、設計の観点からまとめます。
定義と核となる面白さ:足場から足場へ渡るゲーム
英語版ウィキペディアは、プラットフォーマーをアクションゲームの下位ジャンルで、キャラクターを環境の中のある地点から別の地点へ移動させることが主な目的のゲームと定義しています。でこぼこの地形や空中に浮かぶ足場(プラットフォーム)があり、それをジャンプやよじ登りで渡っていくのが基本です。ツタにつかまる、壁ジャンプ、滑空、スプリングといった動作が加わることもあります。
プラットフォーマーの面白さの大部分は、体で覚える腕前から生まれます。
- 操作の面白さ:手になじむジャンプとダッシュそのものが楽しいです。
- 上達の面白さ:最初は何十回も落ちていた区間を、ある瞬間に一度で越えられるようになります。
- 発見の面白さ:隠し通路、収集アイテム、近道を探す探索が加わります。
ジャンル名も、最初から決まっていたわけではありません。1980年代初めには「クライミングゲーム」「はしごゲーム」「ドンキーコング系ゲーム」といった言葉が使われ、宮本茂は「アスレチックゲーム」という表現を好んで使いました。「プラットフォームゲーム」という言葉は、1980年代末にイギリスのゲーム雑誌を中心に定着しました。
下位分類
| 分類 | 特徴 | 代表作 |
|---|---|---|
| 2D横スクロール | 横から見た画面が左右に流れながら進行 | スーパーマリオブラザーズ、ソニック・ザ・ヘッジホッグ |
| 3Dプラットフォーマー | 立体空間を自由に移動、カメラ操作 | スーパーマリオ64、クラッシュ・バンディクー |
| パズルプラットフォーマー | ジャンプよりもパズルを解くことが挑戦の中心 | Braid、ロストヴァイキング |
| ランアンドガン | プラットフォーマーに射撃を大きく加える | 魂斗羅、メタルスラッグ、Cuphead |
| シネマティックプラットフォーマー | リアルな動き、1回のミスが致命的 | プリンス・オブ・ペルシャ、LIMBO |
| プラットフォームアドベンチャー(メトロイドヴァニア) | 広いマップを能力を手に入れながら探索 | メトロイド、Hollow Knight |
| 精密プラットフォーマー | 短く難しい区間に何度も再挑戦 | Super Meat Boy、Celeste |
| ランナー(オートラン) | キャラクターが自動で走り、ジャンプだけを操作 | Canabalt、Temple Run |
複数の分類が混ざることもよくあります。Celesteは精密プラットフォーマーでありながら物語の比重が大きく、Hollow Knightはプラットフォーマーでありながら、メトロイドヴァニアに分類されることのほうが多いです。
歴史に残る代表作
| 年 | ゲーム | 開発 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1981 | ドンキーコング | 任天堂 | ジャンプで障害物を越える最初のゲーム、マリオの初登場 |
| 1982 | ピットフォール! | Activision(デビッド・クレイン) | 256の画面を横につなげた広いステージ |
| 1985 | スーパーマリオブラザーズ | 任天堂 | 横スクロールプラットフォーマーの標準を確立 |
| 1989 | プリンス・オブ・ペルシャ | ジョーダン・メックナー(発売:Brøderbund) | ロトスコープでリアルな動きを実現したシネマティックプラットフォーマー |
| 1991 | ソニック・ザ・ヘッジホッグ | ソニックチーム(発売:セガ) | ループや丘を駆け抜けるスピード感 |
| 1996 | スーパーマリオ64 | 任天堂 | アナログスティックとともに3Dプラットフォーマーの基準を示した |
| 1996 | クラッシュ・バンディクー | ノーティードッグ(発売:ソニー) | 3Dグラフィックで直線的なコースを維持 |
| 2008 | Braid | Number None(ジョナサン・ブロウ) | 時間の巻き戻しを使ったパズルプラットフォーマー |
| 2010 | Super Meat Boy | Team Meat | 300を超える短く難しいステージ |
| 2015 | スーパーマリオメーカー | 任天堂 | プレイヤーがコースを作って共有 |
| 2018 | Celeste | Maddy Makes Games | 難しい操作と難易度調整の「アシストモード」 |
| 2024 | アストロボット | Team ASOBI(発売:ソニー) | DualSenseの振動・トリガーを活用した3Dプラットフォーマー |
1画面から始まったジャンル
初期のプラットフォーマーは、1画面の中ではしごや足場を登っていくゲームでした。1980年のスペースパニックにははしごはありましたがジャンプはなく、1981年のドンキーコングが初めてジャンプで障害物や隙間を越えられるようにしました。そのため、ドンキーコングは最初のプラットフォーマーとしてよく挙げられます。翌年のピットフォール!は、複数の画面をつなげてステージを広げました。
スクロールとマスコットの時代
1985年のファミコン用スーパーマリオブラザーズは、左右に流れるステージ、キノコやフラワーといったアイテム、隠された通路を盛り込み、ジャンルの原型になりました。その後、ゲーム機ごとに代表的なプラットフォーマーとマスコットが必要だという考えが広まり、1991年にセガはスピードを前面に押し出したソニック・ザ・ヘッジホッグを発売しました。1990年代初めには、プラットフォーマーがコンシューマーゲームで最も人気のあるジャンルでした。
3Dへの飛躍
3Dグラフィックの時代には、カメラと距離感という新しい課題が生まれました。1995年のジャンピングフラッシュ!がコンシューマー初の3Dプラットフォーマーとして記録され、1996年のスーパーマリオ64は、アナログスティックと広い3D空間、「スターを集めて次の世界を開く」構造によって、その後の3Dプラットフォーマーの基準になりました。同じ年のクラッシュ・バンディクーは、3Dグラフィックの中でも前へ進んでいく直線的なコースを選びました。
インディーゲームが復活させた2D
2000年代に入ると、プラットフォーマーの市場シェアは大きく縮小しました。ウィキペディアによると、1998年に15%だった販売シェアは、数年後には2%まで落ち込みました。しかし2006年のNewスーパーマリオブラザーズの成功とともに、インディー開発者たちが2Dプラットフォーマーを再びよみがえらせました。Braidは時間操作、Super Meat Boyは極限の精密さ、Celesteは不安や憂うつを扱った物語で、それぞれ新しい方向性を示しました。
設計上の特徴
プラットフォーマーはシンプルに見えますが、「気持ちのいいジャンプ」を作るには細やかな設計が必要です。
- 空中制御:ドンキーコングのようにジャンプの軌道が固定されたゲームもあれば、空中で方向を変えられるゲームもあります。多くのプラットフォーマーは、ボタンを押す時間によってジャンプの高さが変わるようにして、繊細な操作を可能にしています。
- 寛容な判定:Celesteには、足場の端から出た直後でもほんの一瞬だけジャンプを許す「コヨーテタイム」があります。プレイヤーが「確かに押したのに」と感じる理不尽さを減らす仕組みです。
- 素早いリスタート:難しいプラットフォーマーほど、死んだ後すぐにその場から再開できるようにしています。失敗のコストを下げると、プレイヤーはより多く挑戦します。
- 新要素をひとつずつ紹介するレベルデザイン:安全な場所で新しい仕掛けをまず見せ、慣れたら応用し、最後にひねりを加えて難しく試します。
- 難易度の選択肢:Celesteのアシストモードは、ゲームスピードを下げたり無敵をオンにしたりする機能を提供します。反対に、収集アイテムや隠しステージは上級者向けの追加の挑戦です。
- カメラ:3Dプラットフォーマーでは、着地点をよく見せてくれるカメラが操作感と同じくらい重要です。
こんな人におすすめ
- 短く遊んで、すぐに上達を実感できる感覚が好きな人
- 難しい区間に何度も再挑戦して越えたときの快感を求める人
- 子どもと一緒に、あるいはゲームを始めたばかりの人と一緒に遊べるゲームを探している人(やさしい2D・3Dプラットフォーマー)
- 操作はシンプルでも、アイデアがきらりと光るインディーゲームが好きな人
素早い反応が負担に感じるなら、パズルプラットフォーマーや難易度調整機能のあるゲームから始めるのがおすすめです。
現在のプラットフォーマー
プラットフォーマーは、一時期「子ども向けのジャンル」というイメージから足踏みしていましたが、今では大手ゲーム会社とインディー開発者の両方が継続的に手がけるジャンルです。2023年のスーパーマリオブラザーズ ワンダーは2012年以来初めての新作2Dマリオで、2024年のアストロボットはその年のMetacriticで最も高い評価を得たゲームになりました。Celesteは発売以来700万本以上を売り上げています。
モバイルでは片手のタッチで遊べるランナーゲームが、オンラインではFall Guysのようにプラットフォーミングとバトルロイヤルを組み合わせたゲームが登場しました。スーパーマリオメーカーのように、ユーザーが自分でコースを作って共有する流れも続いています。
ジャンプひとつでこれほど多様なゲームが生まれうること、それこそがプラットフォーマーが今もゲームデザインの基本と呼ばれる理由です。