シューティングゲーム(STG)・弾幕STGとは?定義・分類・代表作まとめ
シューティングゲーム(シューティング・STG)の定義と核となる面白さ、固定画面・縦スクロール・横スクロール・ランアンドガン・弾幕・ヴァンサバライクといった下位分類、スペースインベーダーからグラディウス、東方Project、ヴァンパイアサバイバーズまでの代表作をまとめました。
ゲームセンターでコインを入れ、機体を動かしながら押し寄せる敵と弾の間をすり抜けた記憶があるなら、それこそがシューティングゲームです。日本ではSTG、英語圏では「shoot 'em up(撃って全部倒せ)」を略してshmup(シュムアップ)と呼びます。
ここでいうシューティングゲームは、一人称シューティング(FPS)とは別のジャンルです。画面を上や横から見下ろし、数多くの敵を撃ち倒しながら敵の攻撃をかわす、アーケード系のゲームを指します。この記事では、シューティングゲームの定義、固定画面から弾幕、そして「ヴァンサバライク」まで続く下位分類、歴史に残る代表作、そしてジャンルを支える設計の原理をまとめます。
定義と核となる面白さ:撃って、避けて、覚える
英語版ウィキペディアは、シューティングをアクションゲームの下位ジャンルとして、主人公が多くの敵を撃って相手にしながら、敵の攻撃を避けるゲームと定義しています。プレイヤーは主に反応速度に頼らなければなりません。視点はたいてい上から見下ろすか横から見る方式で、主人公は宇宙船や飛行機のような乗り物であることが多くなっています。
シューティングゲームの面白さは、シンプルで強烈です。
- 回避の面白さ:弾と弾の狭い隙間をすり抜ける瞬間の緊張感
- 成長の面白さ:パワーアップアイテムを取るほど派手になっていく武器
- 暗記と熟練の面白さ:敵の出現順や攻撃パターンを覚えて、だんだん先へ進めるようになる過程
- スコアの面白さ:同じステージでも、より高いスコアのためにあえて危険なプレイを選ぶこと
シューティングゲームには、現実的な物理はほとんどありません。機体は慣性なしにすぐ方向を変え、弾は一定の速度でまっすぐ飛びます。すべてが「読めるパターン」として設計されているため、失敗はそのまま次の挑戦のための情報になります。
下位分類
ウィキペディアは、シューティングゲームを主に視点と動きによって分けています。
| 系統 | 特徴 | 代表作 |
|---|---|---|
| 固定画面シューティング | 1つの画面で主に左右にだけ移動 | スペースインベーダー、ギャラクシアン、ギャラガ |
| 全方向シューティング | 360度に回転・移動、ツインスティック操作も含む | アステロイド、Robotron: 2084 |
| 縦スクロールシューティング | 画面が上へ流れながら進行 | ゼビウス、雷電、怒首領蜂 |
| 横スクロールシューティング | 画面が横へ流れながら進行 | ディフェンダー、グラディウス、R-TYPE |
| ランアンドガン | 飛行機の代わりに人が歩きながら射撃 | 戦場の狼、魂斗羅、メタルスラッグ |
| レールシューティング | 決められた経路に沿って画面の奥へ進行 | スペースハリアー、スターフォックス |
| かわいいシューティング(キュートエムアップ) | 明るく風変わりな世界観と敵 | ツインビー、ファンタジーゾーン |
| 弾幕シューティング | 画面を埋め尽くす弾のパターン、小さな当たり判定 | 怒首領蜂、東方Project、斑鳩 |
| 逆弾幕(ヴァンサバライク) | 攻撃は自動、プレイヤーは移動と成長の選択 | ヴァンパイアサバイバーズ |
弾幕シューティングとは
弾幕とは「弾の幕」という意味です。弾幕シューティングは画面を覆い尽くす複雑な弾の模様が特徴で、その代わりに機体の当たり判定を見た目よりはるかに小さく(事実上1つの点に近く)して、弾の間をすり抜けられるようにしています。英語では「バレットヘル(bullet hell)」または「マニックシューター」と呼ばれます。
歴史に残る代表作
| 年 | ゲーム | 開発 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1978 | スペースインベーダー | タイトー(西角友宏) | 反撃してくる敵、複数の残機、ハイスコアの概念を確立 |
| 1979 | ギャラクシアン | ナムコ | カラーグラフィック、隊列から急降下してくる敵 |
| 1981 | ディフェンダー | ウィリアムス・エレクトロニクス | 双方向の横スクロールとレーダー |
| 1983 | ゼビウス | ナムコ | 空中・地上の攻撃を分けた、影響力の大きい縦スクロールシューティング |
| 1985 | グラディウス | コナミ | パワーメーターで武器を選ぶ、横スクロールシューティングの標準 |
| 1987 | R-TYPE | アイレム | フォース装置、戦略的でゆっくりとした展開 |
| 1993 | バツグン | 東亜プラン | 弾幕シューティングの出発点とされる |
| 1995 | 怒首領蜂 | ケイブ | コンボによるスコアシステムを加えた弾幕シューティング |
| 2001 | 斑鳩 | トレジャー | 白黒の属性を切り替えて同じ色の弾を吸収 |
| 2002 | 東方紅魔郷 | 上海アリス幻樂団(ZUN) | 同人弾幕シューティング、Windows版で海外のファン層を拡大 |
| 2022 | ヴァンパイアサバイバーズ | poncle | 自動攻撃の「逆弾幕」ジャンルを流行させる |
アーケード黄金期の主役
1978年のタイトーのスペースインベーダーは、ジャンルの枠組みを作ったゲームとして最もよく挙げられます。それまでの射撃ゲームが的を撃つだけだったのに対し、スペースインベーダーは複数の敵がプレイヤーに反撃してくる初めてのゲームで、複数の残機とハイスコアという概念を広く知らしめました。その後、1970年代末から1980年代初めにかけて、シューティングゲームはゲームセンターの中心的なジャンルでした。
1979年のギャラクシアンはカラーグラフィックと個性的に動く敵を、1983年のゼビウスは空中の敵と地上の目標を別々の武器で攻撃する縦スクロールの構造を示しました。1985年のコナミのグラディウスは、カプセルを集めて好きな武器を選ぶ「パワーメーター」で戦略性を加え、1987年のアイレムのR-TYPEは、ゆっくりとしながらも密度の高いステージと「フォース」という装置で高い評価を受けました。
弾幕の誕生とマニア向けジャンルへの変化
1990年代半ばになると、3Dゲームと対戦格闘ゲームがゲームセンターの主役となり、シューティングゲームは次第に少数の熱心なファンのためのジャンルになっていきました。このときに登場したのが弾幕です。1993年の東亜プランのバツグンが出発点とされ、東亜プランが廃業した後、その出身の開発者たちが設立したケイブが、1995年の怒首領蜂で弾幕シューティングを受け継ぎました。
2001年のトレジャーの斑鳩は、機体の色を黒と白に切り替えて同じ色の弾を吸収するという独創的なルールで、海外でも注目を集めました。1人で作る同人ゲーム東方Projectは、2010年にギネス世界記録に「最も多くの作品を出したファンメイドのシューティングシリーズ」として登録されました。
設計の特徴
- パターンと公正さ:敵の行動は予測できるように設計されています。ランダムよりも「覚えれば避けられる」パターンが、シューティングゲームの公正さを生み出します。
- 小さな当たり判定:弾幕シューティングは機体の一部だけを当たり判定にして、不可能に見える弾の間も通り抜けられるようにしています。
- パワーアップとリスクのバランス:強い武器を手に入れるほど楽になりますが、一度撃墜されると武器が弱くなるゲームが多いため、緊張感が保たれます。
- ボム:多くのシューティングゲームにある、画面の弾を一度に消す緊急手段は、初心者にとっては命綱であり、熟練者にとってはスコア戦略の道具です。
- スコアシステム:怒首領蜂のコンボのように、リスクを取るほどスコアが上がる仕組みは、すでにエンディングを見た人にももう一度遊ぶ理由を与えます。
- ボス戦:ステージの最後のボスは、それまでに身につけた回避技術を試す舞台です。
こんな人におすすめ
- 短く強烈な集中の時間が好きな人
- 繰り返しの練習で目に見えて上達していく過程を楽しめる人
- 派手な演出とテンポの速い音楽に没入したい人
- スコア競争や「ワンコインクリア」のような挑戦課題が好きな人
弾幕が難しすぎると感じるなら、武器を選んで育てる面白さに集中したヴァンサバライクや、コンティニューが自由な家庭用移植版から始めるのもよいでしょう。
現在のシューティングゲーム
純粋な弾幕シューティングは、難易度の高さから今もマニア向けのジャンルとして残っています。ウィキペディアは、弾幕シューティングの競技記録の約90%を日本のプレイヤーが持っていると記しています。しかし、ジャンルの要素はむしろより広く広がりました。UndertaleのようなRPGの戦闘や、Enter the Gungeonのようなローグライクにも、弾幕の回避が取り入れられています。
特に2022年のヴァンパイアサバイバーズは、プレイヤーが自分で撃たずに自動で攻撃し、押し寄せる敵の中で移動と成長の選択だけに集中する「逆弾幕」ジャンルを大流行させました。このゲームの名前をとった「サバイバーズライク(ヴァンサバライク)」という言葉が生まれるほどでした。撃って避けるという最も古いゲームの文法は、こうして形を変えながら生き続けています。