KEKE STUDIO
  1. ホーム
  2. ブログ
  3. ファイナルファンタジーまとめ — 坂口博信の「最後の幻想」がJRPGの顔になるまで

ファイナルファンタジーまとめ — 坂口博信の「最後の幻想」がJRPGの顔になるまで

ファイナルファンタジーシリーズの誕生の背景と名前の由来、ATB・ジョブシステムといったゲームの仕組み、名作とされる理由、ピクセルリマスターなど今遊ぶ方法をまとめました。

#ファイナルファンタジー #JRPG #スクウェア・エニックス #坂口博信 #レトロゲーム

ファイナルファンタジー(Final Fantasy)は、1987年にスクウェアがファミリーコンピュータ(ファミコン)向けに初めて発売したロールプレイングゲーム(RPG)シリーズです。ナンバリングされた本編だけで16作に及び、作品ごとに世界と主人公がまったく変わる独特な構成で、40年近く続いています。

この記事では、「ファイナル」という名前がどこから来たのか、シリーズの代表的なゲームの仕組みは何か、なぜ日本式RPG(JRPG)を代表する作品になったのかをまとめます。

最後に、2026年現在公式に遊べるリマスターと最新作、プラットフォームも整理しました。日付と販売本数は、ウィキペディアと公式サイトで確認できたものだけを記載しています。

ひと目でわかる概要

項目内容
初発売1987年12月18日(日本、ファミコン)
開発スクウェア(現スクウェア・エニックス)
販売スクウェア(現スクウェア・エニックス)
プラットフォームファミコン・スーパーファミコン、PlayStation系、PC、Nintendo Switch、Xbox、モバイルなど
ジャンルロールプレイング(RPG)、一部の作品はアクションRPG・MMORPG

シリーズの生みの親は坂口博信です。ウィキペディアによると、シリーズの累計販売本数は2億本を超え、歴代で最も売れたゲームフランチャイズの1つです。スクウェアは2003年4月にエニックスと合併し、現在のスクウェア・エニックスになりました。

誕生の背景

1980年代半ば、スクウェアはファミコンのディスクシステム向けに簡単なRPGやレースゲーム、プラットフォームゲームを作っていた会社でした。坂口は以前からRPGを作りたいと考えていましたが、会社は売れないだろうとして許可しませんでした。ところが、エニックスの『ドラゴンクエスト』が日本で大成功を収めると会社の考えが変わり、『ウルティマ』と『ウィザードリィ』から着想を得た坂口の企画が承認されました。

名前については諸説あります。会社が倒産寸前だったため「最後」の作品という意味で名付けたとよく言われますが、坂口は、このゲームが自分にとって個人的な最後の挑戦であり、うまくいかなければ業界を去って大学に戻るつもりだったと説明しています。2015年には、より具体的な理由も明かしました。日本語で発音しやすい「FF」という略称が欲しく、最初の候補だった「ファイティングファンタジー」は同名のゲームブックシリーズと商標の問題が起こりうるため、日本でよく知られた英単語「ファイナル」を選んだというものです。

第1作は、4人の「光の戦士」が光を失ったクリスタルを蘇らせる物語です。当初は20万本だけ生産する予定でしたが、坂口が続編のために40万本に増やしてほしいと要望し、最終的に日本で52万本が出荷されました。この成功でスクウェアの経営は上向き、ファイナルファンタジーは同社の看板シリーズになりました。

ゲームの仕組み

ファイナルファンタジーは、作品ごとに世界観と登場人物が変わる「アンソロジー」シリーズです。それでも、いくつもの要素が繰り返し登場します。

  • コマンド選択式の戦闘:「たたかう」「まほう」「アイテム」といったコマンドをキャラクターごとに選ぶ方式です。第1作は、味方を画面の右側、敵を左側に配置したサイドビューの戦闘を初めて披露しました。
  • ATB(アクティブタイムバトル):ファイナルファンタジーIV(1991)で導入された方式で、ターン制に時間の流れを加え、敵が攻撃する前に急いでコマンドを入力しなければなりません。設計者の伊藤裕之は、F1レースで車同士が追い越し合う様子を見て、キャラクターごとに速さが違えば面白いだろうという着想を得ました。
  • ジョブと魔法:第1作から戦士、シーフ、白魔道士、黒魔道士といったジョブがあり、ファイナルファンタジーVではジョブを自由に変えられる「ジョブシステム」が登場しました。魔法は回復中心の白魔法、攻撃中心の黒魔法のように色で分かれ、IIIからは召喚魔法が受け継がれています。
  • 繰り返し登場するシンボル:移動手段の飛空艇とチョコボ、そしてIIからほぼすべての作品に登場する「シド」という人物が代表的です。坂口は、飛空艇とチョコボには宮崎駿の『天空の城ラピュタ』と『風の谷のナウシカ』の影響があると明かしています。

後期の作品になるほど、戦闘はリアルタイム寄りに変わっていきました。XIとXIIはリアルタイム戦闘を導入し、XVとXVIはアクションRPGに近いものになっています。

なぜ名作なのか

第一に、毎回新しく作り直すシリーズです。 坂口は1作目を単独の作品と考えていたため、続編は物語ではなくテーマだけを受け継ぎ、システムを新たに組み立てました。このやり方が定着し、本編ごとに新しい世界、新しい人物、新しい戦闘が登場します。同じ名前のもとで実験を続けられたことが、シリーズの強みです。

第二に、物語と演出の水準を引き上げました。 ウィキペディアは、ファイナルファンタジーIVを、人物の成長と関係性に重きを置いたドラマチックな物語によってジャンルの金字塔となった作品として紹介しています。1997年にPlayStationで発売されたVIIは、3Dグラフィックとプリレンダリングの背景で大きな変化を見せ、コンシューマーRPGを世界的な大衆ジャンルにした作品と評価されています。

第三に、音楽と美術です。 植松伸夫が2004年までメインの作曲家を務め、天野喜孝は1作目からVIまでアートを担当し、本編全体のタイトルロゴもデザインしました。IVの「愛のテーマ」は日本の学校の教科書に掲載され、VIIIの音楽は2004年のアテネ五輪のシンクロナイズドスイミングでも使われました。

シリーズと影響

本編の流れを機種別に見ると、次のとおりです。

機種本編
ファミコンI(1987)、II(1988)、III(1990)
スーパーファミコンIV(1991)、V(1992)、VI(1994)
PlayStationVII(1997)、VIII(1999)、IX(2000)
PlayStation 2X(2001)、XI(2002、オンライン)、XII(2006)
それ以降XIII(2009)、XIV(2010、2013年に再リリース)、XV(2016)、XVI(2023)

外伝や派生作品も数多くあります。『ファイナルファンタジータクティクス』、対戦格闘の『ディシディア』、チョコボシリーズ、そして『キングダム ハーツ』シリーズにもシリーズの要素が盛り込まれています。VIIは2020年の『ファイナルファンタジーVII リメイク』を皮切りに、3部作のリメイクが進行中です。

業界に与えた影響も大きなものです。ピーター・モリニューやBioWare創業者のグレッグ・ゼシュクなど、欧米の開発者たちがVIIを自分に大きな影響を与えたゲームとして挙げています。シリーズは「最も多くの作品が発売されたRPGシリーズ」を含め、ギネス世界記録を7つ保持しています。

今遊ぶ方法

2026年10月時点で、公式に遊べる主な作品は次のとおりです。

  • ファイナルファンタジー ピクセルリマスター:IからVIまでの原作をリマスターしたシリーズです。植松が監修したアレンジ音楽と、原作のドット絵担当だった渋谷員子が描き直したグラフィックが収録されています。2021年にiOS・Android・Windowsで発売された後、2023年にPlayStation 4とNintendo Switch、2024年にXbox Series X|Sで発売されました。
  • ファイナルファンタジーVII リバース:リメイク3部作の2作目です。2024年にPlayStation 5、2025年にWindows、2026年6月にNintendo Switch 2とXbox Series X|Sで発売されました。完結編の『ファイナルファンタジーVII リバレーション』は2027年発売予定です。
  • ファイナルファンタジーXIV:月額課金制のMMORPGで現在もサービス中で、Windows、macOS、PlayStation 5などで遊べます。
  • ファイナルファンタジーXVI:2023年にPlayStation 5、2024年9月にWindows、2025年6月にXbox Series X|Sで発売された最新の本編です。

シリーズに初めて触れるなら、短くクラシックな味わいを楽しみたい場合はピクセルリマスターのIVかVI、現代的な演出を求めるならVIIリメイク3部作かXVIから始めるのがおすすめです。本編同士で物語はつながっていないので、どの作品から始めても大丈夫です。

参考資料

あわせて読みたい