ゼルダの伝説シリーズまとめ — 誕生の背景からブレス オブ ザ ワイルドまで
1986年にディスクシステムで始まった任天堂のゼルダの伝説シリーズについて、誕生の背景、ゲームシステム、名作とされる理由と今遊ぶ方法をまとめます。
ゼルダの伝説は、任天堂が1986年から続けているアクションアドベンチャーシリーズです。緑の服を着た少年リンクがハイラルという地を旅してダンジョンを攻略し、魔王ガノンに立ち向かってゼルダ姫とトライフォースを守るという物語が基本の骨組みです。最初の作品から40年近くが経ちましたが、新作が出るたびにゲームデザインの話題で欠かせないシリーズでもあります。
この記事では、最初の作品がどのような発想から始まったのか、シリーズに共通する遊びの仕組みは何か、そしてなぜ長く名作と呼ばれているのかを順に見ていきます。最後に、これから初めてゼルダを始める人がどの作品から手をつけるとよいかもまとめました。
ひと目でわかる概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売 | 1986年2月21日(日本、第1作)/1987年8月22日(北米NES) |
| 開発 | 任天堂(第1作は任天堂 情報開発部(R&D4)、最近の作品は任天堂EPD) |
| プラットフォーム | ファミコン ディスクシステムに始まり、任天堂のほぼすべての据え置き機・携帯機 |
| ジャンル | アクションアドベンチャー |
誕生の背景
シリーズを生み出したのは宮本茂と手塚卓志です。第1作では2人が共同でディレクターを務め、宮本がプロデューサーも兼任しました。音楽は、スーパーマリオシリーズでも知られる近藤浩治が担当しました。
出発点は宮本の子どもの頃の記憶です。彼は京都近郊の園部で育ち、地図も持たずに野原や森、洞窟を歩き回りました。そのとき感じた驚きと緊張をゲームに移したいと考えたのです。そのため第1作は、プレイヤーにどこへ行くべきかをほとんど教えてくれません。広いフィールドにただ放り出し、自分で歩き回って道を見つけさせる構造でした。
第1作は、1986年2月21日に日本でファミコン ディスクシステムと同じ日に発売されたゲームでした。翌年北米ではNESのカートリッジとして発売されましたが、この版はカートリッジ内に電池を搭載して進行状況をセーブできる初期のゲームのひとつでした。パスワードを書き留めなくても続きから遊べるという点は、長い冒険を収めるうえで欠かせない機能でした。
ゲームシステム
第1作は上から見下ろす視点で進みます。画面を1枚ずつ切り替えて進む広いフィールド(オーバーワールド)と、その各所に隠れたダンジョンが2本の軸です。8つのダンジョンでトライフォースのかけらを集めると、最後の9番目のダンジョンが開きます。ブーメランのようにダンジョンで手に入れた道具が次の地域へ進む鍵となり、エンディングを見ると、場所やダンジョンが変わったより難しい2周目の冒険(裏ゼルダ)も始められました。
この構造はシリーズを通して受け継がれています。まとめると、おおよそ次のとおりです。
- フィールド探索:村や野原を歩き回って情報を集め、隠された場所を探します。
- ダンジョンの謎解き:鍵やスイッチ、地形を利用して道を開き、最後の部屋のボスを倒します。
- 道具で広がる世界:新しいアイテムを手に入れるたびに、以前は行けなかった場所へ行けるようになります。
1998年にNINTENDO64で発売された『時のオカリナ』は、この枠組みを3Dに移しました。敵や人物にカメラを固定する「Z注目」のおかげで3D空間でも剣での戦いがしやすくなり、その後多くの3Dアクションゲームが似た方式を採用しました。
2017年の『ブレス オブ ザ ワイルド』は、順番にダンジョンをクリアしていく流れを大きく解きほぐしました。リンクはほぼあらゆる場所をよじ登ることができ、物理エンジンと物体の性質を決める「化学エンジン」が連動して、1つの問題をさまざまな方法で解くことができます。2023年の『ティアーズ オブ ザ キングダム』は、物体をくっつけて乗り物を作る「ウルトラハンド」、武器と素材を合わせる「スクラビルド」といった組み立て要素を加え、空に浮かぶ島や地底の世界にまで舞台を広げました。
なぜ名作なのか
1つ目は、探索そのものを報酬にした設計です。ゼルダは道を親切に案内するよりも、プレイヤーが自ら気になって動き出すように仕向けます。丘の向こうに何があるのかを見に行く行動がそのままゲームの面白さになるという手法は、第1作から『ブレス オブ ザ ワイルド』まで一貫しています。
2つ目は、道具と謎解きがかみ合う構造です。新しいアイテムが戦闘と謎解きと移動を同時に変えるため、1つ手に入れるたびに世界が少しずつ違って見えます。この手法は、多くのアクションアドベンチャーゲームの基本的な文法となりました。
3つ目は、シリーズが同じ枠組みにとどまらなかったことです。2Dから3Dへ、さらに決まった順番がほとんどないオープンワールドへと変わる間も、「自分で発見する楽しさ」という中心は守られてきました。『ブレス オブ ザ ワイルド』はThe Game Awards 2017でゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
続編・影響
本編は着実に続いてきました。主な作品を年代順に見ると次のとおりです。
| 年 | 作品 | 備考 |
|---|---|---|
| 1986 | ゼルダの伝説 | ファミコン ディスクシステム |
| 1991 | 神々のトライフォース | スーパーファミコン |
| 1993 | 夢をみる島 | ゲームボーイ |
| 1998 | 時のオカリナ | NINTENDO64、初の3D作品 |
| 2002 | 風のタクト | ゲームキューブ |
| 2006 | トワイライトプリンセス | Wii |
| 2017 | ブレス オブ ザ ワイルド | Wii U・Nintendo Switch |
| 2023 | ティアーズ オブ ザ キングダム | Nintendo Switch |
| 2024 | 知恵のかりもの | Nintendo Switch、ゼルダが初めて主人公に |
2024年9月26日に発売された『知恵のかりもの』は任天堂EPDとグレッゾ(Grezzo)が共同で開発し、ゼルダ姫が主人公として活躍する初めての本編です。トリィロッドで物やモンスターの「カリモノ」を呼び出して道を作ったり戦ったりする仕組みが特徴です。
英語版ウィキペディアによると、シリーズ全体の販売本数は2024年9月時点で1億5,000万本を超えました。1989年には、アメリカでゲームを原作としたアニメが放送されたこともあります。何より、開かれたフィールドとダンジョン、道具で広がる世界という構造は、その後の多くのアクションアドベンチャーゲームでおなじみの枠組みとなりました。
今遊ぶ方法
初めてなら、Nintendo Switchの『ブレス オブ ザ ワイルド』か『ティアーズ オブ ザ キングダム』から始めるのが最も無難です。どちらの作品も2025年6月5日にNintendo Switch 2 Editionが発売され、Switch 2でも遊べます。『ティアーズ オブ ザ キングダム』は『ブレス オブ ザ ワイルド』の直接の続編なので、順番に遊んだほうが物語を追いやすくなります。
短く手軽にゼルダらしい謎解きを味わいたいなら、2D視点の『知恵のかりもの』が良い選択です。シリーズのルーツが気になるなら、任天堂のクラシックゲームサービス(Nintendo Classics)を利用してみるとよいでしょう。第1作は2018年9月18日からこのサービスに収録されています。今の基準で見ると不親切な部分も多いですが、なぜこのシリーズが「自分で探す冒険」と呼ばれるのかをすぐに実感できます。