エルデンリング - ダークソウルをオープンワールドに広げたフロム・ソフトウェアの大作
2022年にフロム・ソフトウェアが送り出したエルデンリングの誕生の背景、オープンワールドと戦闘の仕組み、名作と評価される理由、黄金樹の影やナイトレインといった展開、今楽しむ方法をまとめます。
エルデンリングは、日本の開発会社フロム・ソフトウェアが制作し、バンダイナムコエンターテインメントが2022年2月25日に発売したアクションロールプレイングゲームです。難しいけれど公平な戦闘で知られるダークソウルシリーズの方式を広大なオープンワールドに移した作品で、発売直後から大きな話題になりました。
この記事では、エルデンリングがどのような過程を経て作られたのか、実際にどのように遊ぶのか、なぜ多くの人が名作に挙げるのかを順に見ていきます。続いて、拡張版や外伝、映画化のニュースまで、エルデンリングが残した影響と今から始める方法もあわせてまとめます。
ひと目でわかる概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売 | 2022年2月25日 |
| 開発 | フロム・ソフトウェア(販売 バンダイナムコエンターテインメント) |
| プラットフォーム | PlayStation 4・5、Xbox One、Xbox Series X/S、Windows、Nintendo Switch 2(Tarnished Edition) |
| ジャンル | オープンワールドアクションロールプレイング |
誕生の背景
エルデンリングのディレクターは、ダークソウルシリーズやBloodborne、SEKIRO: SHADOWS DIE TWICEを手がけた宮崎英高です。共同ディレクターは谷村唯が務めました。宮崎ディレクターは、この作品をダークソウルをオープンワールドへと発展させたゲームとして構想しました。
本格的な制作は、ダークソウルIIIの最後の追加コンテンツ「ザ リングド シティ」の作業が終わった2017年初めに始まりました。同じ時期にSEKIROも開発中で、両作品とも宮崎ディレクターが手がけ、初期はそれぞれの作品に別々の共同ディレクターを置いて分担して進めました。
世界観には、小説『氷と炎の歌』の作者ジョージ・R・R・マーティンが参加しました。フロム・ソフトウェアのほうからマーティンに依頼し、マーティンはゲームが始まる前の遠い過去、つまり神話と歴史の土台を設計しました。実際のゲーム内の物語の主な書き手は宮崎ディレクターでした。宮崎ディレクターは、マーティンの役割をテーブルトークRPGの進行役向け設定資料集にたとえて説明しています。
ゲームは2019年6月のE3で初めて発表されました。その後長い間新しい情報がありませんでしたが、2021年6月に新しいトレーラーが公開され、同年11月にクローズドネットワークテストが行われました。当初は2022年1月21日の発売予定でしたが、1か月あまり延期されて2月25日に発売されました。宮崎ディレクターは、デザインに影響を与えた作品として『ワンダと巨像』、エルダー・スクロールズシリーズ、『ウィッチャー3』、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』などを挙げています。
ゲームの仕組み
舞台は「狭間の地」と呼ばれる世界です。女王マリカが姿を消したことで世界を支えていたエルデンリングが砕け、プレイヤーは褪せ人となって、エルデンリングを修復しエルデの王になることを目指して旅に出ます。狭間の地は、リムグレイブやケイリッドを含む六つの大きな地域で構成されています。
広い平原は霊馬トレントに乗って駆け抜けることができ、戦闘中でなければ、すでに訪れた場所へすばやく移動できます。平原のあちこちには隠されたダンジョンや地下墓、洞窟、坑道があり、その中にボスや役立つアイテムが待っています。決まった順番がなく、どこへ行くかを自分で選べることが、以前のシリーズから最も大きく変わった点です。
戦闘は、近接武器と遠距離武器、盾、魔法を組み合わせて使う方式です。ローリングで攻撃を避け、盾で受け返して相手の隙を作ることができます。敵に気づかれずに近づいて攻撃するステルスプレイも可能です。遺灰を使えば、決まった場所の近くで霊体の仲間を呼び出して一緒に戦うこともできます。
「祝福」と呼ばれる場所は、休息と成長の拠点です。敵を倒して得たルーンをここで使って能力値を上げ、魔法や戦技を付け替えます。死ぬと持っていたルーンをその場に落とし、そこに戻る前にもう一度死ぬとルーンは永遠に失われます。素材を集めて消耗品を作るクラフト機能もあります。オンラインでは、他のプレイヤーを呼んで一緒にボスを攻略したり、他人の世界に侵入して対戦したりすることもできます。
なぜ名作なのか
第一に、探索の自由と報酬がうまくかみ合っています。行く手をふさぐボスが難しすぎるなら、別の地域を巡って装備とレベルを整えてから再挑戦できます。難しい戦闘というシリーズの特徴はそのままに、行き詰まったときの回り道を用意したわけです。そのため、以前のシリーズを難しく感じていた人も最後まで遊べる余地が生まれました。
第二に、発見する楽しさです。地図上の目印をたどる代わりに、遠くに見える城や奇妙な建物を目にして、自分から訪ねていきたくなる構成です。洞窟一つ、地下通路一つにも何かが隠されていて、プレイヤーごとに違う順番と体験が生まれます。
第三に、言葉を抑えた物語の語り方です。世界の歴史はアイテムの説明や人物の短いセリフ、風景の中に散らばっており、プレイヤーがかけらをつなぎ合わせながら理解していきます。マーティンが設計した神話の土台の上に、フロム・ソフトウェアならではの伝え方が加わりました。
批評家の評価も高いものでした。Metacriticのスコアは、PlayStation 5版とXbox Series X/S版が96点、PC版が94点で、The Game Awards 2022のゲーム・オブ・ザ・イヤーを含め、300を超えるゲーム・オブ・ザ・イヤー賞を受賞しました。販売本数は2022年3月末までに1,340万本、2025年4月までに3,000万本に達しました。
続編と影響
大型拡張版「SHADOW OF THE ERDTREE(黄金樹の影)」は2023年2月に発表され、2024年6月20日に発売され、1,000万本以上を売り上げました。本編の世界の外にある新しい土地を舞台にしたコンテンツです。
2025年5月30日には、外伝『ELDEN RING NIGHTREIGN(ナイトレイン)』が発売されました。石崎淳也がディレクターを務めたこの作品は、リムグレイブをもとに毎回新しく構成される土地「リムベルド」で、3人が一緒に3日間かけて準備し、最後のボスに挑む協力プレイ中心のゲームです。一人でも遊べます。フロム・ソフトウェアによると、発売24時間で200万本、2025年7月までに500万本以上を売り上げました。
プラットフォームも広がりました。2026年8月28日にはNintendo Switch 2向けの『ELDEN RING Tarnished Edition』が発売されました。また2025年5月には実写映画の制作が発表されました。A24とバンダイナムコが制作し、アレックス・ガーランドが脚本と監督を務め、2028年3月3日の公開予定が明らかにされています。
エルデンリングの成功は、難しいアクションゲームでも多くの人に届きうることを示しました。その後、多くのゲームで自由な探索と挑戦的なボス戦を両立させる流れがより目立つようになりました。
今楽しむには
エルデンリングは、PlayStation 4・5、Xbox One、Xbox Series X/S、Windows(Steam)、Nintendo Switch 2で遊べます。初めてなら本編から始めるのがおすすめです。黄金樹の影は本編の世界につながる追加エリアなので、本編を十分に進めてキャラクターを育ててから楽しむのが自然です。
最初に選ぶ素性は序盤の能力値と装備を決めるだけなので、後からいくらでも別の方向に育てられます。ボスが難しすぎる場合は、別の地域を先に探索したり、遺灰で仲間を呼んだり、オンラインで他のプレイヤーの助けを借りたりする方法があります。急がずにじっくり巡ることが、このゲームを最もよく楽しむ方法です。
友人と一緒に短時間で楽しみたいなら、ナイトレインも良い選択です。一回ごとに完結する構造なので、本編とは違う形でエルデンリングの世界を体験できます。