メイプルストーリー:2D横スクロールMMORPGと基本無料の代表作
2003年に始まったネクソンの『メイプルストーリー』の誕生の背景、横スクロールの狩りとキャッシュショップ中心の遊び方、名作と呼ばれる理由、『2』や『M』へと続くシリーズをまとめました。
メイプルストーリーは、2003年4月29日に韓国で正式サービスを開始した2D横スクロールのMMORPGです。Wizet(ウィゼット)が開発し、ネクソンがサービスしてきました。かわいいキャラクターと、横に移動しながらジャンプして戦うプラットフォームゲームのような操作が特徴です。
メイプルストーリーは、月額料金なしで無料で遊べて、希望する人だけが着せ替えアイテムや便利アイテムを購入する「アイテム課金(基本無料)」方式を代表するゲームとしてよく挙げられます。英語版ウィキペディアによると、2020年時点で全世界の登録ユーザーは1億8,000万人以上、累計売上は30億ドル以上です。
この記事では、メイプルストーリーがどのように始まったのか、どのように遊ぶのか、なぜ長く愛されているのか、そしてシリーズと今楽しむ方法までをまとめます。
ひと目でわかる概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| リリース | 2003年4月29日(韓国で正式サービス) |
| 開発 | Wizet(ウィゼット)、サービスはネクソン |
| プラットフォーム | PC |
| ジャンル | 2D横スクロールMMORPG |
誕生の背景
メイプルストーリーは、まず韓国で開発・サービスされたあと、さまざまな国へ広がっていきました。韓国語版ウィキペディアの沿革によると、2002年11月18日に第1次クローズドベータテスト、2003年1月21日に第2次クローズドベータテストを経て、2003年4月29日に正式サービスを開始しました。
当時、韓国のオンラインゲームの主流は、『リネージュ』のように上から見下ろす視点のMMORPGでした。メイプルストーリーはそこから方向を変え、キャラクターを横から見ながら足場を上り下りする、2Dプラットフォームゲームの画面を選びました。明るい色づかいと丸みを帯びたキャラクターは、子どもや気軽に楽しみたいユーザーまで引きつけました。
海外進出も早く、2003年12月に日本でサービスを開始し、2005年6月にシンガポールと香港、2007年4月にヨーロッパ、2008年にはブラジルとベトナムで正式サービスを始めました。地域ごとに現地のパブリッシャーが運営する別のバージョンがあり、ユーザーはたいてい自分の地域のバージョンで遊びます。
遊び方
横スクロールの狩り
メイプルストーリーは、キーボードとマウスで遊ぶ2D横スクロールゲームです。キーボードで移動、ジャンプ、スキルを使い、キー配置は好きなように変更できます。マウスは主にNPCとの会話やアイテムの操作に使います。モンスターやボスをリアルタイムで攻撃し、クエストをこなしながら、ゲーム内通貨の「メソ」、経験値、アイテムを手に入れるのが基本の流れです。
職業と転職
最初に始める冒険家キャラクターは、メイプルアイランドで「初心者」としてスタートします。その後、戦士、弓使い、魔法使い、盗賊、海賊のいずれかに転職し、レベルが上がるにつれて決められた段階ごとに上位の職業へ転職していきます。現在は冒険家のほかにも、シグナス騎士団、アラン・エヴァン・メルセデス・ファントム・ルミナス・隠月からなる英雄、レジスタンスなど、さまざまな系統の職業があります。2016年には5次転職、2023年には6次転職が追加されました。
一緒に遊ぶ楽しさ
メイプルストーリーには、ほかの人と交流する方法がたくさんあります。
- パーティー:一緒にモンスターを狩り、経験値やアイテムを分け合います。
- ギルド:キャラクター名の下にギルド名が表示されます。
- 人気度:ほかのプレイヤーの人気度を上げたり下げたりできます。
- ミニゲーム:五目並べや神経衰弱(同じ絵を探すゲーム)といった遊びで、ほかのプレイヤーと対戦できます。
- 取引:メソやアイテムをやり取りします。従来型のサーバーでは「フリーマーケット」に露店を開くこともできます。
キャッシュショップ
ゲーム内の「キャッシュショップ」では、実際のお金でキャラクターの外見やペットなどのアイテムを購入できます。ゲーム自体は無料で、有料アイテムで収益を上げる仕組みです。英語版ウィキペディアは、グローバルサーバーだけでも2010年までに100万人を超えるプレイヤーがキャッシュショップでアイテムを購入したと伝えています。
なぜ名作なのか
誰でも気軽に始められるMMORPG
メイプルストーリーの最大の長所は、ハードルが低いことです。横に歩いてジャンプする操作は、子どものころに遊んだプラットフォームゲームに似ていて、すぐに慣れることができます。かわいい絵柄のおかげで、MMORPGを初めて遊ぶ人でも気負わずに始められました。
アイテム課金の成功例
メイプルストーリーは、無料で始めて着せ替えアイテムで収益を上げる方式が、大きな規模で成功しうることを示しました。2006年にはすでに全世界のアカウント数が3,900万に達し、2011年までに累計売上は18億ドル、2020年時点では30億ドルを超えました。2014年には、世界のMMO売上の上位10位に入りました。
長く記憶に残る音楽
メイプルストーリーのBGMも高く評価されました。長くサービスが続いているだけに、かつて遊んでいた人たちに思い出をよみがえらせる役割を果たしています。アクアロード地域の村「アクアリウム」の音楽は、韓国の一部の音楽の教科書にも掲載されました。ネクソンは2016年に社内の音楽制作チームを立ち上げ、2017年にはハンガリーのブダペストでオーケストラとともに音楽を録音しました。
変わり続けるゲーム
2010年7月の「ビッグバン」アップデートは、ゲームの中核となるコードとさまざまなシステムを大きく変えた大型改編でした。同じ年の「カオス」アップデートでPvPと専門技術が導入され、2015年7月9日には、取引を制限する代わりに一人で成長する楽しさを重視した「リブートワールド」が誕生しました。こうして大きな変化を重ねながら、20年以上サービスを続けています。
ただし、いつも高い評価ばかりを受けてきたわけではありません。2024年、ネクソンはメイプルストーリーの一部アイテムの出現確率をユーザーに知らせずに変更したことで、電子商取引法違反により116億ウォンの課徴金を科されました。確率型アイテムをめぐる論争は、このゲームが抱える課題として残っています。
シリーズと影響
| 作品 | リリース | 特徴 |
|---|---|---|
| メイプルストーリーDS | 2010年4月15日(韓国) | ニンテンドーDS向けのシングルプレイゲーム |
| メイプルストーリー2 | 2015年7月7日(韓国) | ボクセルベースの3Dグラフィックの続編 |
| メイプルストーリーM | 2016年10月(韓国) | iOS・Android向けのモバイルゲーム |
このほか、2007年10月から2008年3月までテレビ東京で放送された全25話のアニメがあり、韓国ではゲームの設定をもとにしたマンガ『コミック・メイプルストーリー』が出版されました。ゲームがマンガ、アニメ、カードゲームへと広がり、一つのブランドになったわけです。
メイプルストーリーの影響は、韓国ゲーム産業のビジネスモデルに最もはっきりと表れています。月額課金が当たり前だった時代に、基本無料とキャッシュアイテムでも大きな売上を生み出せることを示し、その後多くのオンラインゲームやモバイルゲームが似た仕組みを採用しました。
今楽しむ方法
メイプルストーリーは、現在もPCでサービス中です。韓国ではネクソンのメイプルストーリー公式サイトから、北米やヨーロッパなどではネクソンのグローバルサイトから、無料でダウンロードして遊べます。
初めて始めるなら、取引が制限される代わりに一人で成長しやすいリブート系のワールドを選ぶのも一つの方法です。スマートフォンで楽しみたいなら、メイプルストーリーMを選べます。昔のシンプルなメイプルストーリーが恋しい人のために、ネクソン・アメリカは2025年4月、初期の体験をよみがえらせた「クラシックワールド」をグローバルサーバー向けに開発中だと発表しました。
長く遊ぶゲームだけに、キャッシュアイテムや確率型アイテムには、あらかじめ決めた予算の範囲内でだけお金を使うのがおすすめです。